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投稿日:2020年6月15日 | 最終更新日:2021年6月10日

カテゴリ:ばねを知る

《第12回》ばねの表面処理(耐食性向上)①

鉄鋼材料で作られたばねは、基本的に油をつけて出荷されますが、その状態で使われ続けると発錆(腐食)をしてしまいます。

空気や水分により鉄が酸化して赤錆が発生し、全面に腐食が広がったり、外観的には見つけにくいです。

ここでは主に3種類の腐食を上げていきます。

孔食(金属に発生する自由表面で起こる点状あるいは虫食い状の腐食)

粒界腐食(結晶粒の境界部に選択的に生じる腐食)

隙間腐食(すき間部で起こる腐食)

部分的に発生する腐食を起こしたりします。

腐食は部分的な電池作用で深く進行することがあるので、そこが応力集中の場となって破壊の起点となることがあります。

続いてばねによく使われる亜鉛めっきベーキングについて特徴と注意点を説明します!

 

電気めっき(亜鉛めっき)

比較的小さいばねを処理するの適しています。

めっきは用途により装飾用、防食用、機能性付与に大別されます。防食用めっきは鉄よりイオン化しやすい金属を表面に付け

て、腐食環境では鉄よりも先にその金属が錆びるという効果を利用しています。(下図:電気亜鉛めっきの処理工程)

電気めっきは陽極にめっきする金属すなわち亜鉛をつなぎ、陰極に製品をセットして亜鉛の薄膜を形成します。

ラックにつるして処理する方法は、つるすのに手間がかかりますが、きれいに仕上がります。

一方バレルめっきはカゴに入れて回転しながら電気を通すので大量に処理することが可能ですが、傷や絡みなど発生する事を

想定しなければなりません。

 

ベーキング

一般に190〜220℃の炉中で加熱して、有害な水素を追い出します。水素が入った状態でばねを使用すると突然、破壊する可能

性があります。これを遅れ破壊といいます。通常めっき後に、脱水素処理としてベーキング処理を行なっています。

ベーキング処理を有効にするためには、前処理の段階で水素の吸蔵を防止するか、水素を吸蔵した場合には、何らかの脱水素

処理を行う必要があります。

 

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