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2020.05.26|ばねを知る
《第6回》ばねの寿命向上

《第5回》へたりと疲労についてでしたが、熱処理との組み合わせによっては寿命が向上する方法があります。

今回はそのうちの主な2種類<セッチング><ショットピーニング>についてご説明していきます!

 

<ショットピーニング>

ショットピーニングは機械部品の表面に無数の小さな金属系または非金属系の玉や粒子を衝突させ,材料表面に圧縮の残留

応力を与える表面処理です。

表面層に付与された圧縮の残留応力によって疲労強度を向上させる効果があり,ばねや歯車などの耐疲労性向上には広く使用

されています。

φ1.0以下の小物ばねでも微細なショットを用い,加工条件(投射速度を下げる等)であればショットピーニングによる疲労強

度向上が可能ですが、φ1.0以下の小物ばねでは疲労強度向上のニーズが少なく,またショットピーニングによるばねの形状が

変わってしまうため,ショットピーニングが行われる例が少ないです。

注意点としては下記4点が挙げられます。

①表面粗さ

②ショットの摩耗

③ショットピーニング後の傷や強加工

④ショットピーニング後の熱や塑性変形の負荷

ショットピーニングの効果として主に、圧縮残留応力の導入・表面の加工硬化・傷の無害化となります。

 

<セッチング>

ばね製造の最終工程近くで,ばねが使用される方向に過荷重を与え若干の塑性変形を行わせる処理を,セッチングと呼んでい

ます。この処理の目的は,主としてばねの使用中へたりを極力少なくします。

セッチングはある範囲までセッチング応力が増大すれば、それに伴った圧縮残留応力が導入され、疲労強度は向上していきま

すが、過大なセッチングはかえって疲労強度を低下させることも分かっています。

性質上、使用方向が一方方向のばねにその効果を発揮しますが、例えば荷重の方向が一方向だけでなく、負荷される応力の

絶対値が正にも負にもなり、その場合セッチングの効果は無くなってしまうので、使用される際の荷重の負荷状況に注意する

必要があります。

 

ばねの残留応力は疲労特性に影響します。加工後のばねには有害な引張りの残留応力が残っていますので、熱処理(《第4回》

ばねの熱処理)でできるだけ取り除きます。一方、セッチングやショットピーニングを行うことで、表面全体に圧縮の残留応

力を付与し、耐疲労特性をさらに向上できます。

ただし、セッチングによる疲労強度の向上効果はショットピーニングの効果に比べれば小さく、過大なセッチングによるマイ

ナス効果もあるため、製造時のセッチング応力の条件決めは注意が必要です!

 

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