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投稿日:2023年5月11日 | 最終更新日:2023年5月12日

カテゴリ:ばねを知る

ニッパーに使用されている圧縮コイルばねの役割と設計のポイントについて紹介します。

ニッパーは銅線や鉄線をカットするために欠かせない工具です。ニッパーにはばねがついているものとついていないものがあります。ばねは「圧縮コイルばね」や「トーションバネ」があります。今回は圧縮コイルばね(押しばね)を使用したニッパーについて説明します。

– ニッパーについて
ニッパーは刃の開閉により金属線を切断することができる専用工具です。ニッパーにはばね有りとばね無しがあります。ばね有りのニッパーは常に先端が開いているので開閉が楽です。ばね無しのニッパーは自由に開閉ができるため使い勝手が良いです。

ニッパー2種類の違いについて解説

– ニッパーについている圧縮コイルばねの役割
ニッパーについている圧縮コイルばねの役割は大きく分けて2つです。

1.先端の開閉を補助
圧縮コイルばねが荷重を受けていない状態は、常に先端が開いています。そのためニッパーの開閉が楽に行えます。

2.作業者の負担軽減 ※連続作業時
グリップを握る(ものを挟む)と圧縮コイルばねが縮んだ状態になります。ばねの反発力(応力)によってものが切断できます。連続で作業する際に圧縮コイルばねがニッパーを握り直す動作を補助しています。

大きなものを切断する場合、ニッパーも大きくなければ切断できません。すなわちばねも大きくなり挟むのに力が必要となり、かえって使いづらくなります。よってばね有りのニッパーは精密なものを切断する時に向いています。

– 圧縮コイルばねの設計ポイント
ニッパーは屋外で使用することもあるため錆びる可能性があります。なので圧縮コイルばねの材料は錆に強いステンレス材を使います。メーカーにもよりますが線径は0.3〜0.8ミリが適しており、長さは10ミリ前後で設計します。ばねの設計のポイントは荷重です。巻数と線径によって変化します。線径を太くすることで荷重は大きくなりますが、ばねも大きくなりニッパー自体が握りにくくなります。圧縮コイルばねの設計について詳しくはこちらをご覧ください。

実際に文房具に使用している圧縮コイルばねを製造している動画です。

 

栄光技研株式会社では、ばね加工機「icf-08」にて線径0.3〜0.8ミリの押しばね(圧縮コイルばね)の製造が可能です。設計開発の段階から一緒にサポートさせていただきます。図面が無い、荷重が決まっていないという場合でも対応可能です。ぜひお気軽に試作依頼フォームにてご相談ください。

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