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ベンダー曲げ加工に使用する材料SS400・SGD3M・SWMBそれぞれの特徴や違いについて詳しく解説します。

ベンダー曲げ加工に用いられる丸棒材は、大きく分けて鉄鋼と非鉄金属の2種類に分類されます。今回はベンダー曲げ加工に使用する鉄鋼材であるSS400、SGD3M、SWMBそれぞれの特徴や違いについて詳しく解説します。

▼実際にSS400 を使用した自動車曲げ加工品を製造している動画です。

炭素鋼とは

炭素鋼とは鉄をベースにした合金の一種で鋼鉄と呼ばれます。鉄は炭素の含有量によって硬さや強さ、脆さなどの性質が変化します。ステンレスに比べてやわらかく、加工性に優れています。主に建築、機械部品など幅広い分野で利用されています。

炭素鋼の種類について

炭素鋼の種類について代表的な材料を3種類紹介します。

1.SS400
建物の骨組みや機械部品など、幅広い用途に使用される最も一般的な鋼材です。安価で入手しやすく、加工性が高いため、溶接などの加工にも向いています。一方で耐食性が低いため、錆びやすい材料です。

2.SGD3M
みがき棒鋼の一種で、表面が滑らかで光沢があります。SS400と比較してより高い精度で加工できますが、 表面処理の工程があるため、SS400に比べて高価です。

3.SWMB
軟鋼線材のことを指し、柔軟性が高いため曲げ加工が非常に容易です。バネなど柔軟性が求められる製品に最適な材料です。複雑な形状の製品も製作できます。強度が低いため、強度が求められる製品には不向きです。

それぞれの違いを分かりやすく表にまとめたので、参考にしてください。

名称 特徴 使用用途
SS400 汎用性が高い、コストパフォーマンスが良い 建材、機械部品、自動車部品など
SGD3M 表面が滑らか、加工精度が高い 機械部品など
SWRM 引張強度が低く、曲げ加工性に優れる バネ、ワイヤーなど

こんな場合はどの炭素鋼を使用すれば?

どのような炭素鋼を選べば良いか迷われる場合は、下記の点を参考にしてみてください。

・強度が特に求められる場合
SS400よりも高強度なSS490などがおすすめです。これらの鋼材は、機械部品や構造物など、高い強度が要求される用途に適しています。
・表面品質が求められる場合
SGD3Mのようなみがき棒鋼が最適です。表面に光沢があるため、品質を重視する製品に適しています。
・細い線材が必要な場合
SWRMのような軟鋼線材がおすすめです。バネやワイヤーなど柔軟性と加工性が求められる製品に適しています。

SS400、SGD3M、SWMBはそれぞれ特徴が異なり用途も異なります。製品の設計段階で、どの鋼材が最適か材料の特性を考慮して選ぶことが重要です。

栄光技研株式会社ではばね材料のノウハウを活かし、ベンダー曲げ加工に使用する材料についてもお客様のご要望に合わせた最適な材料選定をサポートします。ベンダー曲げ加工品をロボアーム MB13-3DCにて製造します。材料選定などでお困りの方はぜひお気軽にお問い合わせフォームでご相談ください。

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