本文へ移動

もっと知りたい 技術コラム

線加工品やトーションばねなど、加工が難しい複雑形状部品の事例・実績を紹介します。

他社で難しいとされた複雑形状ばねの加工実績を紹介します。

他社で加工不可と判断された部品も、加工の工夫次第で対応できる場合があります。当社では特殊形状や難材のばね加工に挑戦し、多くのお客様の悩みを解決してきました。今回は、実際に再挑戦した事例を紹介し、どのように加工可能にしたのか、ポイントをわかりやすく解説します。

加工不可とされた部品の課題とは?

部品によっては、設計や形状の都合で加工が非常に難しいものがあります。たとえば形状が複雑な線加工品やトーションばねは、組みつけ部品の制約やスプリングバックの影響で、設計通りの精度を保つことが難しくなります。他社では「加工精度が出ない」「コストが合わない」といった理由で断られるケースも少なくありません。しかし加工条件や手順を工夫することで、これまで断られていた部品でも形状精度を確保し、加工することが可能です。

難加工部品への取り組み方

当社では、加工不可とされた部品でも以下の過程で再挑戦を行い、多くの実績を生み出しています。

1.試作段階での検証
図面通りに加工できるかを試作で検証し、必要に応じて加工順序や条件を調整します。単純な試作では不安定な場合も、複数回の検証を経て安定した加工条件を確立します。

2.加工手順の工夫
曲げ工程の順序を工夫したり、スプリングバックを考慮して余分な巻きを加えるなど細かな調整を行うことで設計通りの形状精度を確保します。

3.特殊工具・設備の活用
当社はΦ2~Φ13まで幅広い線径に対応可能な加工設備を保有しており、特殊形状の部品も対応可能です。また特定の治具を組み合わせることで、他社では難しい加工も実現できます。

4.品質管理の徹底
加工後は厳密な検査を実施し、耐久性や形状精度が設計条件を満たしているかを確認します。

実際の事例紹介

実際に加工不可を加工可能にした事例を3つ紹介します。
◦ピッチ間隔の異なる押しばね
工具関連に使用される押しばねで、材質はSUS304-WPB、線径はφ0.65mm。摩耗を防ぐために、ピッチ間隔の異なる2種類のコイルを組み合わせています。これにより、コイル間や接触部品への負荷集中を軽減し、耐久性を向上させました。

◦自動車内装部品に使用する線加工試作品
複雑な線加工形状もマルチフォーミング加工で高精度に成形。曲げ角度や巻き角度の微調整が容易で、設計変更への対応もスピーディーです。結果として、試作から機能検証までの期間短縮と、組み付け性の改善につながりました。

◦自動車部品に使用されるトーションバネ
線径φ2.0mmのSWP-B(ピアノ線)を使用したトーションバネ。繰り返し荷重や振動が加わる環境下でも安定した性能を発揮します。両端のアーム形状は取り付け条件に合わせて設計可能で、実際の組み込み環境に合わせた最適化を実現しました。

加工不可とされた部品でも、加工条件や工夫によって実現できる場合があります。栄光技研株式会社では、特殊ばねや難材部品の加工実績をもとに、設計・試作から量産まで幅広く対応しています。まずはお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせフォームはこちら

技術コラム 一覧に戻る