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同じ線材曲げ加工でも違う!ベンダー曲げ加工とフォーミング加工の基礎知識

ベンダー曲げ加工とフォーミング加工の違いを説明しています。

線材を立体的に曲げて形を作る加工には、「ベンダー曲げ加工」と「フォーミング加工」があります。どちらも空間成形ができるという共通点がありますが、扱える材質・得意な形状・コスト構造には明確な違いがあります。

違いを理解しておくことで、下記メリットを得られます。
•発注の判断がしやすくなる
•コストや納期の見通しを立てやすくなる
•設計変更時のトラブルを防ぎやすくなる

ベンダー曲げ加工とフォーミング加工について

ベンダー曲げ加工とフォーミング加工の基本的な違いを以下にまとめました。

■ ベンダー曲げ加工とは

ベンダー曲げは、NC制御された機械で線材を曲げていく加工方式です。SS400などの鉄線(軟鋼線)を扱うことが多く、剛性を重視したシンプルな形状に適しています。
形状に応じてツールや検査治具が必要になる場合がありますが、データ変更に柔軟に対応できるため、仕様変更や追加生産にも対応しやすいのがメリットです。

ベンダー曲げ加工製品一覧はこちら

■ フォーミング加工とは

フォーミングマシンと呼ばれる機械で、複数のツールを連動させて線材を連続的に巻いたり、曲げたりする加工方式です。
ピアノ線(SWP)やステンレス線など、バネ性を持たせたい材質を得意とし、複雑な立体形状を一度に加工できます。
中〜大ロットの量産時には、ツールを使い分けて高速かつ安定した加工が可能です。段取り替えが必要な場合もありますが、量産時の単価・精度の安定性が高いのが特長です。

詳しくはマルチフォーミングマシンの製作実績一覧をご覧ください。

判断のポイント

同じ線材加工でも、加工方法によってコスト・納期・柔軟性・精度は大きく変わります。発注前に以下の4点を整理しておくと、見積や加工方法の選定がスムーズになります。

▪材質の種類
▪形状の複雑さ
▪ロット数量
▪設計変更の頻度や再発注の可能性

ポイントを理解すれば、見積依頼や発注判断がスムーズになり、コスト削減・納期短縮・設計変更への柔軟対応につながります。

現場から見た選定のコツ

最近では、既存のプレス部品を「線材成形で置き換えたい」というご相談も増えています。板金や溶接構造から線材化することで、軽量化・コストダウン・工程削減を狙う動きもあります。強度やコストを考えるとベンダー曲げのほうが適しているケースもあれば、形状の再現性を優先してフォーミング加工を採用する場合もあります。
当社で板バネから線加工品へ切替対応した製品の詳細はこちらをご覧ください。

同じ線材加工でも、材質・ロット・形状・精度要求によって最適な方法は大きく変わります。
たとえば、
◦剛性を重視したフレーム形状→ ベンダー曲げ
◦バネ性を持たせたい複雑形状→マルチフォーミング
というように、目的に応じて選ぶことが重要です。

栄光技研株式会社では、設計段階で加工方法が決まっていない場合でも、材質や形状図から最適な加工方法・コスト見積をご提案できます。

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