農業機械に使われる部品の中でも、ばねは動きを作る部品です。中でも引きばねは、クラッチや安全機構など、機械の操作性や安全性を左右する重要なパーツです。今回は耕うん機に使用される引きばねに焦点を当て、役割や設計の注意点をまとめました。
耕うん機における引きばねの役割
耕うん機に使用される引きばねは、主に以下の3つの役割を果たします。メーカーによっては引きばね以外の部品構成となる場合もあります
•耕うん爪の動作補助
爪の戻り動作をスムーズにし、一定の押圧を保つ役割。作業の均一性と効率を支えます。
•クラッチ機構の動作
エンジンの動力を「つなぐ・切る」動作にばね力が必要。スムーズな動力伝達を助け、誤作動を防ぎます。
•安全機構の保持
レバーやカバーなどの安全装置を適切な位置に保持し、不意の動作を防止します。
引きばねの設計と注意点
引きばねの設計には以下の3点に注意が必要です。
1.フック形状
・一般的には左右対称が多い
・用途によっては非対称や特殊形状も
・特殊形状は製作コストや納期が変動するため、設計段階で要確認
2.残留応力や初張力
・耐久性や繰返し性能に大きく関係
・初張力が過大だと変形や応力集中が発生
初張力について詳しくはこちら
3.耐久性
・農業機械は屋外・湿潤・泥・肥料など過酷な環境
・ステンレス材や表面処理(亜鉛メッキ・カチオン塗装など)で耐久性アップ
農業機械は屋外で使われるため、錆や汚れに強い材質選定や表面処理も重要です。実際に当社では、屋外使用向けに耐久性を重視した引きばね製作にも多く対応しています。
詳しくは引きばね製作実績ページをご覧ください。
栄光技研株式会社では、図面やサンプルがあれば、1個からでも引きばねの製作に対応しています。また製品納品後も製造履歴やデータを管理し、アフターサービスを提供しています。オンライン商談も受け付けているため、お気軽にお問い合わせください。

