本文へ移動

もっと知りたい 技術コラム

ばね定数とは?設計時に押さえるべき基本と注意点を説明します。

ばね定数についてや設計時に注意すべき3つのポイントを紹介します。

ばね定数は、ばねの「硬さ」や「変形量」を表す重要な項目です。ただし数値の意味や求め方を理解していないと、「思っていたより柔らかい」「力が足りない」といったトラブルにつながることもあります。
特に迷いやすいのが、荷重を決めてから定数を出すのか?ばね定数から寸法を決めるのか?という順序です。今回は、設計時に押さえるべき基本と注意点をわかりやすく解説していきます。

ばね定数とは?

ばね定数とは、ばねを1mm変形させるのに必要な力(N/mm)を表す値のことです。式で書くと、次のようになります。

k = F / δ (ばね定数 k = 荷重 F ÷ たわみ量 δ)

例えば、「1mm押すのに1.2Nの力が必要」な場合、ばね定数は1.2N/mm。この値が大きいほど硬いばね、小さいほど柔らかいばねになります。

ばねの種類によっても意味が少し異なります。
◦押しばね(圧縮ばね):押し込む力と変位の関係
◦引張ばね:引き延ばす力と伸びの関係
◦ねじりばね:回転角度に対するトルクの関係
つまり「変形量に対してどれだけの力が必要か」を示す指標です。

ばね定数の基本と注意点

設計時に注意すべきポイントは大きくわけて3つあります。

1. 荷重を決めてから定数を出す
どんな荷重を発生させたいかという目的荷重から逆算して定数を求めましょう。

2. 使用条件を考慮する
ばね定数は、使用荷重範囲(ストローク)によっても最適値が変わります。設計値だけ見ていても、実際の組付け状態で応力が過大になったりすることがあるので、使用条件を考慮しましょう。

3. 寸法の影響を見落さない
線径・コイル径・巻数は、ばね定数を決める3大要素です。特に線径が少し変わるだけでも定数は大きく変化するため、設計段階でバランスを把握することが重要です。

4. 試作時のズレを想定をする
ばねは熱処理工程で変形が生じるため、図面上の理論値と実測値がずれることがあります。試作では差を確認し、「狙いより柔らかい/硬い」時の調整方法を知っておくと後の修正がスムーズです。

ばね定数を決めるときに押さえておくべき3つのポイント

ばね定数を決めるときに以下の内容を押さえておくとばねの設計がしやすくなります。

▪目的荷重から逆算する
目的荷重が決まれば、必要なたわみ量が見えてきます。その上で寸法条件(外径・自由長・巻数など)を決めるとスムーズです。

▪ばね定数だけでなく特性曲線も意識する
荷重–変位の関係は、実際には直線でないことが多いです。図面上では線形近似で定数を使いますが、特性曲線をイメージして設計すると現実的なばね設計ができます。

▪試作補正を前提にする
製作誤差や熱処理による変形を考慮しましょう。

栄光技研株式会社では、設計段階から一緒に検討することで、図面がなくても「目的荷重に合ったばね設計」をサポートいたします。荷重設定に迷っている方や、試作でお困りの方も、ぜひお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせフォームはこちら

技術コラム 一覧に戻る