フォーミング加工とは、複数回の曲げ加工を連続的に製造できるフォーミングマシンを使用した加工法です。フォーミング加工は線材曲げ加工とも呼ばれています。押しばねや引きばねと違い、複雑な形状が特徴です。ばね特性を活かし、ばねの役割を2つ以上果たす部品としても適しています。
今回は、フォーミング加工(線材曲げ加工)の特徴やメリット、加工に適した材質について説明します。
実際に線曲げ加工品を製造している動画です。この動画では、工具部品に使用している線曲げ加工部品を製造しています。
フォーミング加工(線材曲げ加工)の特徴
フォーミング加工(線材曲げ加工)は、複数回の曲げ加工を一工程で製造できるのが特徴的です。線材から作られる製品を量産する場合、基本的にコンピューター制御によるNC機械を使用します。
主にワイヤーフォーミングマシンと呼ばれる機械で、自動的に生産できる加工方法です。そのため安定した品質で大量生産が可能です。
ワイヤーフォーミングマシンは、線径に対して曲げRが非常に小さいと製作は困難ですが、複雑な形状でも連続して曲げ加工を行うことができるため、作業の工程数のコスト削減へと繋がります。また金型不要の生産が可能となるため、短納期にも向いています。
フォーミング加工(線材曲げ加工)は、機械で成形することもあれば、機械上の加工が難しい場合、小ロットは手加工にて製造することもあります。ただし試作から量産になる場合は、機械加工を推奨する場合があります。
また金型を製作したほうがコストが抑えられるのかなど、設計段階から考慮する必要があります。
フォーミング加工(線材曲げ加工)に使用する材質
フォーミング加工(線材曲げ加工)に使用する材質は、炭素の含有量によって2つに分けられます。
1.炭素含有量が0.09%〜0.25%で、金網・針金・釘・ねじなどの素材に使用する材質
2.低炭素の0.09%以下、もしくは高炭素の0.25%以上のものに分類され、強靭性や耐久性が求められる材質
上記以外の材質となるアルミやチタン、ニッケル合金、モリブデンは軟材となるため、フォーミング加工が難しい材質なので、注意が必要です。
ワイヤーフォーミング加工とマルチフォーミング加工の違い
フォーミング加工にはワイヤーフォーミング加工とマルチフォーミング加工の2パターンがあります。
2つの加工方法の違いは、線材をさまざまな形状へ一度の加工で可能にするワイヤーフォーミング加工。
マルチフォーミング加工はワイヤーフォーミング加工にプレス加工が追加された加工法です。主に板バネやクリップを製造する場合に使用します。
大阪の門真市にある栄光技研株式会社では、フォーミング加工(線材バネ加工)の開発の段階から一緒にサポートさせていただきます。
オンラインでの説明も可能ですので、フォーミング加工や、ばねについてお困りの際は、ぜひお気軽にお問い合わせフォームまたはお電話でご相談ください。
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(参考文献:ばね 入門 日本ばね学会 日刊工業新聞社
はじめてのコイルばね設計 山田学 日刊工業新聞社
ばね 基礎のきそ 蒲久男 日刊工業新聞社)