トーションばねは引きばねと同じように、生産性・形状等により多くの成形方法が用いられています。特に用途が拡大されるにつれ、トーションばねの様々なフックの形状が図面化され、難度の高いものとなってきています。
トーションバネの特徴
トーションバネは、別名「ねじりコイルバネ」や「ヒンジバネ」とも呼ばれ、回転する動きに対して力を発揮するバネです。身近な例としては、洗濯バサミやドアの蝶番などに使われています。トーションバネのコイルの巻き方には隙間をあけない密着巻きと隙間を設けるピッチ巻きがあります。
コイルの巻き方
●密着巻き:コイルが密に巻かれており、加工性が高く、コストも抑えられる。ただし摩擦が大きく、トルク誤差が出やすい。
産業機械部品に使用する密着巻きトーションバネ
●ピッチ巻き:コイルに隙間があり、摩擦が少なく安定したトルクを発揮。ただし加工難易度が上がる。
自動車の内装部品に使用するピッチ巻きトーションバネ
腕(アーム)の形状
●ストレート:シンプルな形状でコスト重視の場合に適用
●1段曲げ/2段曲げ:取り付けやすさを考慮した設計
●フック付き:機構部品との組み合わせや固定性を高める場合に使用
(参考文献 JIS B 2704-2:2018 コイルばね―第2部:仕様の表し方)
トーションバネ設計時の注意点
トーションスプリング設計時には、以下のようなポイントに注意する必要があります。
1.材質の選定:SWP(ピアノ線)、SWOSC(オイルテンパー線)、SUS(ステンレス鋼)などから、使用環境(温度・湿度・耐食性)に応じて選定
2.巻き方向:使用時の回転方向(右巻き・左巻き)
3.塗装や表面処理:錆対策や耐摩耗性向上にはピッチ巻き+塗装、またはメッキ処理を推奨
4.摩擦の影響:密着巻きでは摩擦の影響を受けやすいため、精度重視の設計ではピッチ巻きが有効
ダブルトーションバネの特徴
ダブルトーションバネは、左右2つのトーションスプリングが一体化した構造を持ち、次のようなメリットがあります。産業機械部品に使用するダブルトーションバネについて
・シングルに比べて2倍のばね定数(トルク)を得られる
・限られたスペースで高いトルクを発生できる
・中央の支点を固定することで、左右均等な力の発揮が可能
例えば、自動車部品では巻き取り機構やドア・シートのアシスト機構などで使用されており、耐久性やばね定数の設計が重要です。
大阪の門真市にある栄光技研株式会社ではトーションばねの短納期の設計変更や受注量の変動にも対応可能です。図面やサンプルがあれば、1個から製作できます。ぜひお気軽にお問い合わせフォームまたはお電話でご相談ください。
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