ばね加工
2026年01月28日
最終更新日 2026年1月30日ばね加工で起きるスプリングバックとは?原因と設計時に知っておきたいポイント
図面通りに製作したはずなのに、実際に測定してみると少し寸法や角度が戻っている
ばね加工では、こうしたご相談をいただくことがあります。この現象はスプリングバックと呼ばれ、ばねの特性のひとつです。
今回は、ばね加工におけるスプリングバックと、設計段階で押さえておきたいポイントについてご紹介します。
ばね加工におけるスプリングバックとは?
スプリングバックとは、成形後に材料が元の形に戻ろうとする現象のことです。ばねは、もともと「弾性」を利用する部品です。
その結果、成形直後は狙い通りの形状に見えてもその後の熱処理工程を経ることで内部応力が変化し、わずかに寸法や角度が戻るといったことが起こります。
なぜスプリングバックが起きるのか
ばねのスプリングバックが起きやすい理由には、いくつかの要因があります。
1、材質の影響
ピアノ線やSUS系などのばね材は弾性が高く、元に戻ろうとする力も大きくなります。スプリングバックの影響が出やすくなります。
2、線径・形状の影響
・線径が細いばね
・巻き数が少ないばね
・曲げや角度指定がシビアなトーションばね
3、ばねの種類による違い
・トーションばね
→腕の角度にスプリングバックが出やすい
・圧縮ばね
→自由長や外径にわずかな変化が出ることがある
ばね加工では、「後で戻ることを前提に成形条件を考える」という考え方が基本になります。
スプリングバックの出方は、ばねの種類によっても異なります。
圧縮ばねやトーションばねの基本については、こちらの記事も参考にしてください。
現場ではどのように対応している?
スプリングバックを見越して次のような対応を行っています。
•材質ごとの特性を考慮し、巻き径や角度をあらかじめ補正
•成形条件を微調整しながら試作を実施
•実際の使用条件を想定した評価を行う
初回は試作を前提に、実物を見ながら最適な形に近づけていくケースが多くなります。スプリングバックが気になる場合は、量産前の試作での確認がおすすめです。
当社の試作対応についてはこちらをご覧ください。
設計段階で押さえたいポイント
スプリングバックを考慮した設計では、以下の情報を事前に共有いただけると、設計製作がスムーズになります。
•実際の使用状態(荷重・回数・温度など)
•寸法や角度にどの程度の許容があるか
•見た目重視か、機能重視か
•組付け時に無理な力がかからないか
ばねの特性を知っておくことで、無理のない・安定した部品づくりにつながります。栄光技研株式会社では、図面段階からのご相談や量産前の試作のご相談を承っております。検討中の案件がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
