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SWIC-F材とは?特長・用途・他ばね材との違いをわかりやすく解説します。

SWIC-F材の特長や用途、他のばね材との比較を解説します。

SWIC-F材は、鋼線の表面にニッケルメッキを施した材料です。今回はSWIC-F材の特性特長・用途・他ばね材との違いをわかりやすく解説します。

SWIC-F材とは?

SWIC-F(スイックエフ)材は、神鋼鋼線工業株式会社が製造するニッケルメッキ付きばね用鋼線です。  母材は高強度な鋼線で、さらに表面に耐食性に優れたニッケルメッキが施されており、「耐食性・外観性・強度」のバランスに優れた高機能材料です。

•塩分や薬品にさらされる場所(例:薬液装置・海沿いの設備)
•微細なバネ形状で、寸法安定性が必要な部品
•外観品質や耐摩耗性が求められる精密部品

SWIC-F材ばねのメリット・デメリット

SWIC-F材のメリット・デメリットを下記にてまとめましたので、ご参考ください。

■メリット
– 後工程のメッキ処理が不要で、トータル加工コストを削減可能 
– ニッケルメッキにより、薬品・塩分環境でも優れた耐食性を発揮 
– 寸法変化が少なく、精密ばねにも対応可能

■デメリット
– SUS材に比べて材料費はやや高め 
– 市場流通が限られており、納期に注意が必要 
– ニッケルメッキ付きのため、熱処理温度に制限がある(高温処理は避ける)

当社のSWIC-F材押しばねの製作実績を見る

他のばね材との比較表

SWIC-F材をばね材の代表的なステンレス材、ピアノ線と比較したものが下記表です。

材料名

耐食性

強度

加工性

主な用途

SUS304WPB

○(普通)

△(中程度)

◎(加工しやすい)

汎用バネ、屋外・電装部品など

ピアノ線(SWP)

△(錆びやすい)

◎(非常に高い)

○(やや硬い)

屋内精密部品、家電など

SWIC-F材

◎(非常に高い)

〇(高強度)

○(用途次第)

薬液・塩害環境など

ピアノ線(SWP-B)の特性と使用上の注意点についてはこちらのブログをご覧ください。

栄光技研株式会社では、φ0.4~φ2.0mm程度までのSWIC-F材ばね加工に対応しています。小ロット(10個程度〜)での試作も可能です。図面段階でのご相談にも対応しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
試作の流れはこちら

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