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2020.05.18|ばねを知る
《第4回》ばねの熱処理

ばねを製造・設計する上でへたり、疲労は特に気をつけなければならないことです。

これから述べる2つの処理<低温焼きなまし><セッチング>は、へたり、疲労を改善する重要な技術となります。

この2つの処理の意味を一緒に理解していきましょう。

 

 

低温焼きなまし

別名、テンパーやアニールとも呼ばれます。

冷間成形ばねでは,成形加工によりばねに残留ひずみ(残留応力)が生じ,ばねの弾性限低下,疲れ強さ低下,形状変

化等のばねの特性が悪化します。この残留ひずみを除去する目的で行う熱処理が低温焼きなましです。

ばねの場合、強度や弾性限を確保するためには180℃~500℃の温度域にて処理します。

処理をする目的は、コイリング後の場合以下二点があげられます。

ばねの成形加工で生じた有害な残留応力を除去し、寸法を安定

材料の弾性限や耐力などの機械性質を改善し、耐へたり性、疲労強度を向上

残留応力除去は低温焼きなまし温度を高めた方が効果的なのですが、高すぎると材料の強度が低下して逆に耐へたり性、

疲労強度が低下してしまいます。

主にピアノ線,硬鋼線では200~300℃,SUS304ステンレス線では350~450℃の熱処理を行うことで,さらに高い弾性限が得

られます。ただし引張ばねの場合は、低温焼きなましにより初張力が低下するので、圧縮コイルばねより低い温度で処理する

場合があります。

 

オーステンパー

焼入れ焼き戻しとよく比較される熱処理となります。

オーステナイト化温度まで加熱して、300~500℃のソルトバスまたはメタルバスで等温変態させ、過冷オーステナイトを

変態完了まで保持させた後に冷却する熱処理をオーステンパーといいます。

オーステンパー炉で処理された製品は通常の焼入れとは異なり、得られる組織はベイナイトとよばれ、硬さと靭性を併せ持つ

組織です。

オーステンパーの特徴として3点が上げられます。

①焼き戻しの必要が無い

②ひずみが発生しない

③特定の硬さで強靭の性質が得られる

おおむね0.6%以上の炭素鋼および低合金鋼が適しています。

一般に450~500Hvの硬さのオーステンパ―処理品は、同じ硬さの焼入れ焼戻し品よりも靭性に富むため、硬さと靭性を

両立したいばねに有効な熱処理といえます。

 

低温焼きなましの目的は、主として有害な残留応力の除去と機械特性の改善です。

コイリング後の低温焼きなましは遅れ破壊防止の点から、加工後なるべく早く処理を施すことが重要です。

オイルテンパー処理はある程度の硬さと靭性を必要とするばねに有効な熱処理といえます。

 

優れた材料の素材を十分に生かすにはいいかげんな処理では、素材がよくてもその良さを生かせません。

適正な熱処理や表面処理が不可欠となります!

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