ばね加工
2024年08月19日
ばね材のピアノ線「SWP-A・SWP-B・SWP-V」の引張強さや防錆対策について解説します。
ピアノ線は工業製品に多く使用される材料になります。引張強さが高く、硬さや耐久性の面においても優れているばね材です。今回は、ばね材として使用する場合の各ピアノ線の引張強さや防錆対策について説明します。
▼実際にトーションばねをSWP-Bにて製造している動画です。
ピアノ線の特徴
ピアノ線はJIS規格で「SWP-A」「SWP-B」「SWP-V」の3種類です。SWP-AやSWP-Bは自動車のブレーキやシートスプリング、他にもベッドスプリングや建築用途のシャッタースプリングにも使用しています。SWP-Vは主に船舶や自動車などのエンジン部品の弁バネとして使用されます。ピアノ線それぞれの違いの詳細についてはこちらをご覧ください。
ピアノ線における引張強さ
引張強さとは、材料の強度を示すパラメーターのひとつであり、材料に力を加え破断するまでにどの位強度が持つのか、測定した最大応力のことです。機械や設備等の工業製品を設計する上で、考慮しなければならない設計項目の1つになります。
(参考URL:引張強さとは?引張試験や応力-ひずみ曲線(S-S曲線)の見方について | 特殊金属エクセル)
ピアノ線の代表的な線径のみ引張強さを表にまとめたので、ご参考にしてください。
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SWP-A |
SWP-B |
SWP-V |
線径1㎜ |
2060~2260N/㎟ |
2260~2450N/㎟ |
2010~2210N/㎟ |
線径4㎜ |
1670~1810N/㎟ |
1810~1960N/㎟ |
1670~1810N/㎟ |
※SWP-Vは線径1㎜から
ちなみに、SUS304-WPB(ばね用ステンレス鋼線)の引張強さは線径1㎜:1850~2100N/㎟、線径4㎜:1450~1700N/㎟です。ピアノ線の方が引張強さが高いことがわかります。
ピアノ線の防錆対策
硬鋼線やピアノ線で加工したスプリングは簡単に錆びるため、防錆油塗布・めっき・塗装等の表面処理が必要になります。使用環境によっては表面処理を施しても錆が発生する場合、材質等を見直す必要があります。
栄光技研株式会社ではピアノ線及び線径0.1㎜〜4.0㎜までの各種ばねを製造しています。ピアノ線における錆問題や、使用環境に応じてのばね材料の提案も可能です。お困りの方はぜひお気軽にお問い合わせフォームでご相談ください。