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アクチュエータの一種であるソレノイドの構造や役割、使用する押しバネの仕組みについて説明します!

アクチュエータの一種であるソレノイドには押しバネが使われています。ソレノイドとは電磁力を利用して、電気エネルギーを機械的運動に変換する電気部品です。主に家電品、OA機器、自動車、自動ドアなどに用いられています。
今回はソレノイドの役割やソレノイドに使用されている押しバネの仕組みについて詳しく説明しています。

ソレノイドとは

ソレノイドは主に機械の制御装置内に埋め込まれている部品で、アクチュエータの一種ともいわれています。電気の力を利用して、物を引っ張ったり押したりする働きをします。電磁力を応用して、磁気回路を形成する部品(固定鉄芯)に吸引される鉄心(可動鉄芯)を一方向に運動させることができる電気部品です。
近年では福祉・医療分野などの機器においても使用されています。例えば、電動ベッドの高さ調整や人工呼吸器の弁の開閉など様々な機器に使用されています。
他にも駅の改札口の自動改札機の切符送り機構や切符などの紙に穴を空ける目的など、さまざまな役割を持つソレノイドが使用されています。

 

ソレノイドの仕組みについて

ソレノイドの仕組みについて説明します。
1.コイルに電流を流す(コイルに電流を流すと、コイルの周りに磁場が発生します。)
2.可動鉄心が引き寄せられる(発生した磁力によって可動鉄心が固定鉄心に吸い寄せられます。)
3.電流を切ると元の位置に戻る(電流を切ると磁力が消え、可動鉄心はバネなどによって元の位置に戻ります。)

ソレノイドに使用する主な部品3点について紹介します。
●コイル: 電線をぐるぐる巻きにした部分です。コイルに電流を流すと磁力が発生します。
●固定鉄芯:コイルの中に固定されている鉄の部品です。磁力を集める働きをします。
●可動鉄芯:コイルの中に設置されていて、磁力によって動く鉄の部品です。
ソレノイドは一般的に固定鉄芯に銅線がコイル状に巻かれており、その中を可動鉄芯が上下するような構造を持っています。

ソレノイドに使用するバネについて

ソレノイドに使用するバネは、主に押しバネが用いられます。線径や材質はソレノイドの種類によって異なります。
バネは可動鉄心が吸い寄せられる時に密着状態になり、電気が流れる状態になります。電気が流れていない時は押しバネは作動せず、元の状態に戻ります。
ソレノイドのバネは、性能を左右する重要な部品です。バネの選定を適切に行うことでソレノイドの動作が安定します。

バネの選定が適切に行われないと、以下の問題が発生する可能性があります。押しばねの設計・製作について詳しくはこちらをご覧ください。
●動作不良
バネが柔らかすぎると、可動鉄心が元の位置に戻らず、ソレノイドが正常に動作しないことがあります。逆に、バネが硬すぎると、可動鉄心の動きが遅くなり、ソレノイドの反応が遅くなります。
●寿命の低下
バネの強度が不足していると、繰り返し使用によってバネが変形したり折れたりする可能性があります。

参考URL:ソレノイドを使いこなす(1/5 ページ) – EDN Japan

栄光技研では押しばねの試作段階から使用環境や目的に合わせた設計や納品形態を含めたご提案も可能です。試作1個から数十万個までバネの製作が可能です。
ぜひお気軽にお問い合わせフォームでご相談ください。

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