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銅線の一種であるエナメル線の特徴や種類、ばねを製造する際の注意点について説明します。

エナメル線とは銅線をエナメルの皮膜で覆った電線です。絶縁、耐熱性に優れ、主に産業用や家電用のモータ、自動車電装用コイルなど幅広い用途に使われています。今回はエナメル線の特徴や種類、エナメル線でのばね製造をする際の注意点について説明します。

エナメル線の特徴

エナメル線の特徴は絶縁性・はんだ付け・コストの3つの特徴があります。
①電気を通しにくい(絶縁性)
電気を通しやすい銅線に絶縁性の塗料(樹脂)を塗って焼き付けることで絶縁(皮膜絶縁)しています。そのため電気を通しにくい性質を持っています。

②はんだ付け
はんだ付けとは電気回路や電子回路の生産、電子基板などに熱を加えて金属をつなぎ合わせることです。エナメル線の一部の被膜を剥がし、電気を通すために電子基板などにはんだ付けを行うといった用途もあります。ただしエナメル線の種類によって、はんだ付けができるものとできないものがあります。

➂コスト
他の材料(ばね材料)と比較すると、高コストになります。一般的に耐えられる温度が高いほどコストが高くなり、使い勝手が悪くなります。

エナメル線でばねを製造するときの注意点

エナメル線はステンレスや鉄と違って非常に柔らかい材料になります。線径が細いと簡単に手で曲げることが出来ます。エナメル線を機械で加工する際には、機械のスペックや材料を乗せる線台、材料を保持したり、つかむ治具を確認する必要があります。通常のばねと違い、衝撃で形状が崩れることもあるので、梱包形態にも注意しましょう。

エナメル線の種類

代表的な3種類のエナメル線を紹介します。一般的に許容最高温度が高いほどコストが高くなり使い勝手が悪くなります。種類ごとに使用用途が異なります。

1.ポリウレタン銅線(UEW)
被膜を剥離せず、直接はんだ付けができます。主な使用用途は小型のモーターやトランスに使われています。エナメル線の中で最も多く使われるのがポリウレタン銅線(UEW)です。

2.ポリエステル銅線(PEW)
ポリウレタン銅線より耐熱性・耐溶剤性に優れています。汎用モーターやソレノイドコイルに使用されます。ソレノイドについて詳しくはこちらをご覧ください。

3.ポリアミドイミド銅線(AIW)
はんだで皮膜を除去できないが非常に耐熱性が高く、機械的・化学的特性ともに優れたエナメル線。耐熱モータや電装品に使われていることが多いです。

(参照元 エナメル線の種類について!PVF,UEW,PEW,EIW,AIWの違いなど!

栄光技研株式会社では、φ0.5~φ2.0のエナメル線でのばね製造が可能です。エナメル線での加工やエナメル線の種類についてお困りの方はぜひお気軽にお問合せフォームまたはお電話でお問合せください。

 

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