ばね加工
2024年08月08日
最終更新日 2025年8月1日自動車に使われるばねとは?種類・役割・試作設計に関する注意点を解説します。
自動車には約3万点もの部品が使われており、ばねも重要な構成要素のひとつです。ばねの役割や設計のポイントを把握することは、安全性や機能性に繋がります。
今回は、自動車部品に使用されるばねの種類と役割、設計時に注意したいポイントをご紹介します。
自動車部品に使われるばねとは?まず押さえたい3つのポイント
自動車用ばねの製造は、試作図面からスタートします。しかし、ばねは微妙な形状の違いで機能に大きく影響が出る部品です。そこで設計段階では、以下の点に注意が必要です。
■ 現場立ち合いによる微調整
使用環境やアッセンブリーとの兼ね合いから、荷重や腐食対策の検討が必要です。現場で直接打合せを行うことで、適切なばね仕様をスムーズに決定できます。
■ 製造の限界を共有する
ばねには、機械加工でできる形状とできない形状があります。設計の自由度と製造可能性をすり合わせることで、試作のやり直しを減らせます。
■ 試作製図の回数を削減
設計者と製造現場が連携することで、製図の回数も削減できます。結果として、コストダウンや納期短縮にもつながります。
代表的なばねの種類と役割
自動車に使われるばねは、用途によってさまざまな種類があります。ここでは代表的なばねをご紹介します。
●懸架ばね(サスペンション用)
自動車の乗り心地や走行安定性を左右する重要な部品が懸架ばねです。懸架ばねには、コイルばねと板バネの大きく分けて2種類があります。自動車部品として使われる懸架ばねは一般的なばねとは異なり、厳しい環境下で高い耐久性が求められます。そのため特殊な素材が使われたり、高度な製造技術が必要になったりします。
●弁ばね(エンジン内)
エンジンの開閉機構に使用。高温・高負荷の環境でも安定して作動する必要があり、厳しい検査基準が設けられています。
●シートスプリング(車内部品)
クッション性やリクライニングに関わるばねで、ジグザグばねや渦巻きばねが代表例です。
●ぜんまいばね(シートベルト)
巻き取り機構に使われ、コンパクトな構造で高いエネルギーを発揮します。
自動車部品の製作事例
実際に、弊社で対応した自動車部品の製作事例をご紹介します。
1.自動車内装部品に使用する線加工試作品
2.自動車部品の機能向上を支える線加工品
3.自動車の軽量化に貢献する線加工品
この他自動車部品向けばねの製作実績については、こちらをご覧ください。
自動車部品用ばねの品質管理体制
高品質が求められる自動車部品用ばねでは、精密な測定と検査体制の構築が欠かせません。
以下のような検査体制が推奨されます。
・自動測定機による寸法管理
・荷重試験機・疲労試験機による強度評
・事前の仕様打合せで検査項目を明確に設定
特に試作品段階で検査仕様を共有しておくことで、量産前のトラブル防止にもつながります。
(参照元 自動車部品産業の変遷に関する調査)
栄光技研株式会社では、自動車用ばね(特に内装部品)について、開発・試作・量産・納品まで一貫対応しています。「試作段階から相談したい」「この条件でばねが作れるか確認したい」「図面作成から手伝ってほしい」といったご相談などお気軽にお問い合わせください。
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