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バネの材料選定で迷ったら?用途とコストで失敗しない材料選びのコツ

ばねに使う主な材料3種類の特徴と、ばね購入時の材料選択の判断基準を説明します。

バネを選ぶ際、「どの材料を選べばいいのかわからない」という声を多くいただきます。バネの材料選定は製品の性能やコスト、寿命に大きく関わる重要な要素です。材料を間違えると、破損やサビによるトラブル、耐久性不足などの不具合が発生する可能性もあります。今回は、代表的なバネ材料の特徴と選び方をわかりやすく解説します。

下記は、ステンレス材(SUS304)を使用したねじりコイルばねの製造風景です。

バネに使われる代表的な3つの材料とは?

バネの材料は数多くありますが、工業製品によく使われるのは次の3種類です。

材料名

特徴

主な用途

硬鋼線

最も安価で汎用性が高いが、耐久性はやや劣る

玩具、家具部品、簡易な機構部品

ピアノ線

高強度かつ加工性に優れ、機械用途に最適

自動車部品、シャッター、産業機械

ステンレス(SUS304など)

錆に強く、屋外や水回りにも対応

医療機器、厨房器具、海辺の設備など

ピアノ線とは?材質の種類と特徴について詳しくはこちらをご覧ください
当社のピアノ線バネの製作実績はこちら

バネ材料を選定する際の2つのポイント

ばねの材料を選択するときには2つのポイントがあります。下記2点に注意しながら、材料を選びましょう。

1.用途(使用環境や必要な性能)
●高強度が必要な場合 → ピアノ線
●サビにくさが必要な場合 → ステンレス
●コストを抑えたい場合 → 硬鋼線
たとえば、ピアノ線は引張り強度や弾性に優れており、負荷がかかる部品に最適です。
一方、ステンレスは耐食性・耐熱性が高く、錆びやすい環境で活躍します。

 2.コスト(材料価格+加工コスト)
ステンレスや特殊鋼は材料費が高くなりがちですが、長寿命で交換頻度が少ないため、トータルでコストメリットが出る場合もあります。

バネ材料の選び方用途別早見表

以下の表は、実際にバネを使う環境別に、どの材料が適しているかをまとめたものです。

使用用途

推奨材料

選定理由

室内で使用、コスト重視

硬鋼線

価格が安く、加工もしやすい

振動や衝撃に耐える必要あり

ピアノ線

高強度・高弾性で信頼性が高い

屋外・水回り

ステンレス

錆に強く、耐候性も◎

高温下で使用

ステンレス(SUS304やSUS631など)

耐熱性に優れる合金系材料も対応可能

バネの材料選定で困ったらどうする?

「これで合っているのか不安」「そもそも最適な材料がわからない」そんなときは、ばね専門のメーカーや、ばね材を扱っている材料メーカーに相談することをおすすめします。用途や使用環境に応じて、最適なばね材は異なります。既製品では合わない場合、設計から見直す必要もあります。

栄光技研株式会社では、お客様の用途やご予算に応じて最適な材料のご提案や加工方法のご相談を無料で承っています。量産対応や試作段階でのお困りごとがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
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