本文へ移動

もっと知りたい 技術コラム

トランポリンに使われるバネの材質・初張力・フック形状とは?引きバネの設計ポイント3点解説!

引きバネが入っているトランポリンの仕組みやばねの役割について解説します。

引きバネ(引張ばね)は、引っ張られる力によってエネルギーを蓄え、元に戻ろうとする性質を持つバネです。機械や構造部品の内部だけでなく、トランポリンなどの運動器具や遊具にも使われており、弾力性や耐久性が求められる場面で活用されています。
今回は引きバネの中でも特に弾力性と耐久性が求められる用途への活用例として、トランポリンを例に挙げながら、材質選定・初張力・フック形状といった設計のポイントをわかりやすく解説します。

▼実際に引きバネを製造している動画です。

トランポリンに使用するバネについて

引きバネの重要な役割は以下の2つです。例えば跳ねる構造を持つトランポリンでは、弾力性と耐久性が快適な使用感を左右します。
•弾力性による働き
引きバネの特性である「初張力」により、一定の力でスムーズな動きや弾性を生み出します。
•耐久性の確保
繰り返し使用される環境下でも、長期的な性能を維持するには適切な材質と設計が重要です。

設計における3つの重要ポイント

設計における3つのポイントは材質選定・初張力・フック形状の選定です。

1. 材質選定
使用環境に応じて、以下のような材質が選ばれます。
■ ピアノ線(SWP)
高い引張強度と優れた反発力が特長です。高荷重・高応力がかかる産業機器や遊具などに多く使われます。一方で、耐食性が低いため屋外や湿度の高い環境では表面処理が必要になる場合があります。
ピアノ線の特徴についてはこちらの記事をご覧ください。

■ ステンレス鋼線(SUS304など)
優れた耐食性と耐熱性を持つ材質かつ腐食に強いため、屋外、海沿い、厨房機器、医療機器など錆びやすい環境での使用に最適です。
ピアノ線に比べてやや弾性が低く、コストも高めになる場合があります。
ステンレス材の特徴についてはこちらの記事をご覧ください。

2. 初張力の考慮
初張力とは、バネを引っ張り始めたときに必要な最小限の力のことです。バネの線径や全体の長さ、装着本数によって大きく変わります。例えば、トランポリンのように複数本のバネで張力を調整する構造では、バランス設計が非常に重要です。

3. フック形状の選定
フックは、バネの両端に取り付ける金具やパーツと接続する部分です。用途や取り付け方法によって、以下のようなバリエーションがあります。
•両端同一形状(丸フック、U字フック)
•異形フック(片側オープン、片側クローズなど)
当社の引きばね製作実績一覧はこちら

栄光技研株式会社では線径1.5㎜〜3.5㎜の引張バネを機械「TF-35」にて製作いたします。当社では試作1個からばねが製作可能です。
「引きバネの材質で悩んでいる」「初張力の数値が分からない」「フック形状に制約がある」など、仕様検討段階でのご相談も歓迎です。まずはお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせフォームはこちら

 

技術コラム 一覧に戻る