電子レンジの内側に取り付けられている引張コイルばね(引きばね)は扉を開閉させるためのばねです。今回は電子レンジの扉に使用している引張コイルばねの仕組みや特徴について説明します。
実際にTF-35にて引張コイルばねを製造している動画です。線径範囲は線径1.5〜3.5㎜です。
電子レンジの扉について
電子レンジは扉が上から手前に開く「縦開き」と扉が横に開く「横開き」の2タイプがあります。今回は縦開きの電子レンジの扉に使用されている引張コイルばねについて解説します。
電子レンジの扉の引張コイルばねの仕組み
扉を開閉する役割として引張コイルばねが使用されています。同様にトースターや製菓製パン機械のオーブンにも使われています。扉は電子レンジ本体と金具・ばねと繋がっています。ばねの取り付け位置は電子レンジの中の側面になり、左右にばねが組み込まれています。
扉を開けるとフックが引っ張られるのでばねが伸びた状態、扉を閉じるとフックが戻るのでばねも元の形状に戻ります。
引張コイルばねの特徴について
引張コイルばねの線径は概ね1.5㎜~3.5㎜、材質はステンレス線またはピアノ線を使用します。ピアノ線は錆防止の鍍金処理が施されているケースがあります。ピアノ線についてはこちらをご覧ください。業務用の製菓製パン機械のオーブンの扉は電子レンジの扉の重さと異なるため、ばねの線径や大きさなどが変わってきます。フックの形状は組み付けるものによって様々です。
引張コイルばねのポイント
電子レンジは寿命が約10年持つといわれています。部品の保有期間は約8年となっています。部品の1つであるばねは使用頻度が高い扉に使用されています。なぜばねを使用するのか、省スペースで荷重の調整がしやすいコンパクトな部品だからです。使用する上でポイントとなるのは、耐久性とフック形状です。
特にフックの破損が原因で扉がゆるくなることや閉まらなくなる場合があります。ただし耐久性を重視し、ばねを強くしすぎると扉が固くなるので注意しましょう。ばねの破損について詳しくはこちらのブログをご覧ください。
(引用:電子レンジの寿命は何年?電子レンジの買い替え時のサインも紹介! – Haier Japan Region)
電子レンジはまだ使用出来るのに部品が製造中止になった、小ロットで色んなパターンのフック形状の引きばねが欲しいという方は試作をおすすめします。栄光技研株式会社では1個からばねが製作可能です。ぜひお気軽にお問い合わせフォームでご相談ください。