電子レンジの扉には、開閉時の動きをスムーズにしつつ、安全に保持する目的で「引張コイルばね(引きばね)」が使われています。今回は電子レンジの扉に使用している引張コイルばねの仕組みや特徴について説明します。
実際に当社設備(TF-35)で引張コイルばねを製造している様子を動画でご紹介しています。線径1.5〜3.5mmまで対応しており、今回はSWC材(φ1.8mm)の加工例をご覧いただけます。
電子レンジの扉に使われる「引張コイルばね」とは?
業務用電子レンジやオーブンなど、耐久性とスペース効率が求められる機器で採用されています。電子レンジの扉タイプには「縦開き」と「横開き」がありますが、ここでは縦開き型に使用されるばねを例に紹介します。
•ばねは本体内側に配置されており、扉のフック部分と連動して動作
•扉を開けるとばねが引っ張られ、閉じると元に戻るばね構造
トースターや業務用オーブンにも同様の機構が採用されています。
どんな引きばねが使われているのか?
どんな引きバネが使用されているのか、以下にまとめました。
●線径範囲: 1.5〜3.5mm
●材質: ピアノ線またはステンレス線(ピアノ線は防錆めっき仕様あり)
●フック形状: 使用する機構によりJ型・U型・ねじりフックなど様々です。
フック形状の選定は、破損リスクや取り付け性にも影響します。
フック形状について詳しくはこちら
引張コイルばねのポイント
電子レンジの扉は日常的に何千回も開閉されるため、ばねの耐久性は製品全体の信頼性に直結します。引張コイルばねのポイントは大きく分けて2つです。
1.フック破損に注意
フックの根本が割れると扉が閉まらなくなるリスク
引張コイルばねの破損原因と対策についてこちらをご覧ください。
2.強すぎるばねはNG
扉が固くなり、ユーザーの負荷になる場合もあります。耐久性・荷重バランス・設計スペースの3点を踏まえて選定するのがポイントです。
複数パターンのフック形状で比較検証をしたいや1個から試作したいなど、栄光技研株式会社では1個からの試作対応が可能です。線径1.5〜3.5mmの引張コイルばねを、自社設備TF-35で製造しています。ぜひお気軽にお問い合わせフォームでご相談ください。
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