昨今、半導体市場の成長や電気自動車(EV)の普及に伴い、コイル部品に使用されるエナメル線の需要が高まっています。本記事では、エナメル線の中でも特に使用頻度の高い「ポリウレタン銅線」と「ポリエステル銅線」に焦点をあて、それぞれの特徴や使用上の注意点を比較しながら解説します。
実際にポリウレタン銅線で線加工品を製造しています。
エナメル線について
エナメル線は、銅線の表面に絶縁用のエナメル樹脂を焼き付けた電線です。高い絶縁性・耐熱性を備えており、以下のような製品に広く使用されています。
•産業用・家電用モーター
•自動車電装品のコイル
•精密機器・電子部品 など
エナメル線には複数の種類がありますが、特に「ポリエステル銅線」「ポリウレタン銅線」が代表的です。
エナメル線の種類と特徴についてはこちらをご覧ください。
ポリエステル銅線とポリウレタン銅線の特徴
エナメル線のなかでもよく使われるエナメル線は、ポリエステル銅線とポリウレタン銅線です。ポリエステル銅線とポリウレタン銅線の主な特徴は3つあります。
1.耐熱性・耐薬品性
ポリエステル銅線 > ポリウレタン銅線
使用温度が高い環境では、ポリエステル銅線の方が安定性に優れます。
2.はんだ付けのしやすさ
ポリウレタン銅線は直接はんだ付け可能であり、小型電子機器などに適しています。一方、ポリエステル銅線は皮膜が硬く、被膜剥がしや加工に工夫が必要です。
3.被膜の厚さ(種別)
エナメル線は被覆の厚みによって「0種〜3種」に分類され、数字が小さいほど皮膜が厚くなります。
例:ポリウレタン銅線 1種(厚め)、ポリエステル銅線 2種(やや薄め)
以下の表は、エナメル線の中でもよく使用されるポリウレタン銅線とポリエステル銅線の比較表です。
種類 |
特徴 |
許容最高温度 |
利点 |
使用用途 |
ポリウレタン銅線 |
・ポリウレタンを絶縁被膜として焼き付け |
120℃ |
耐熱性 |
小型モータ |
ポリエステル銅線 |
・ポリエステルを絶縁被膜として焼き付け |
155℃ |
耐熱性 |
ソレノイド |
栄光技研株式会社では、φ0.5〜φ2.0のエナメル線を使用したばね製造にも対応可能です。「どの種類を選べばいいのか分からない」「試作で確認したい」といったご相談も歓迎です。ぜひお気軽にお問合せフォームまたはお電話でお問合せください。
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