自転車スタンドは、車体を安定させるための重要な部品。そのスタンドがしっかり機能するために欠かせないのが「引張コイルばね(引きばね)」です。今回は、スタンドに使用される引張コイルばねの役割や設計時のポイント、錆対策について解説します。
実際の引きばねの加工工程です。農業機械部品にも応用可能な引きばね製作動画をご覧ください。
引張コイルばねの役割
引張コイルばねは、スタンドが正しく動作するために欠かせません。主に以下の2つの役割があります。
1.跳ね上げ機構の補助:走行中にスタンドがブラブラしないよう、跳ね上げる力を発生。
2.ロック機構の補助:駐輪時にスタンドを固定し、車体が倒れないように支える。
これらの動作により、引張コイルばねはスタンドの機能安全を担う部品といえます。
スタンドに使用する引張コイルばねの特徴
自転車スタンドに使用される引張コイルばねは、以下のような特徴を持ちます。
•線径:1.5〜3.0mm
•材質:ステンレス材が主流(錆に強い)
•サイズ感:手のひらに収まる程度
特に重要なのが初張力です。初張力とは、ばねのコイルが接触している状態でも働く力のことで、引っぱらなくても効いている力を意味します。
初張力を適切に設定することで、スタンドの操作感や安全性に大きく影響を与えます。
初張力について詳しくはこちらをご覧ください。
引張コイルばねが錆びるとどうなる?
ステンレス材は耐食性に優れていますが、沿岸部や酸性雨、塩分を含む環境下では錆が発生することがあります。ばねが錆びると、次第に破断や変形リスクが高まります。
対策としては以下が有効です。
・防錆潤滑剤の定期使用
・使用環境に応じた材質選定
・製造時の防錆処理の検討
栄光技研株式会社では線径1.5〜3.5㎜までの引張コイルばねを機械「TF-35」にて製作いたします。引きバネの設計で「ばねが合わない…」「初張力が強すぎるor弱すぎる…」などのお困りごとがあれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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